Special Exhibition

特別展・企画展

港区立郷土歴史館特別展
「人形 -人とともにあるもの-」

令和3(2021)年10月2日(土)~12月5日(日)

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未来への不安を取り除くため、切実な願いを叶えるために祈りを捧げる。それはコロナ禍の今も、そして昔も変わらない人の姿です。人が「人の形をしたもの」に願いを託したときに、人と人形(にんぎょう・ひとがた)の歴史は始まったといえます。人の手によって作られた人形は、人とのかかわりにおいて多様に展開し、日本独自の文化を形成しました。
本展では、港区にゆかりのある人形を中心に、人形に託された役割 ―人を守り、願いを受けとめ、楽しませ、寄り添う― に焦点をあて、人とともにある人形の特性を探ります。

※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、会場の特別展示室の定員を30名とさせていただいております。混雑時は整理券を配布する等の方法で入場制限を行う場合があります。比較的混雑の少ない午前中のご来館をおすすめしています。また、今後の状況により会期等が変更となる場合があります。

開催概要

開催日

令和3(2021)年10月2日(土)~12月5日(日)

■会期中休館日 10月21日(木)・11月18日(木)

会場

特別展示室

開館時間

午前9時~午後5時(土曜日のみ午後8時まで)
※入館受付は閉館の30分前まで。

観覧料(税込)

大人 小・中・高校生
一般 団体 一般 団体
特別展のみ 400円 320円 200円 160円
常設展のみ 300円 240円 100円 80円
セット券 600円 480円 200円 160円

※ 団体料金は10名以上で適用となります。
※ 区内在住・在学の小・中・高校生、区内在住の65歳以上の方、区内在住の障害者の方およびその介助者(1名)の観覧料は無料(証明ができるものをご持参ください)
※11月3日(水・祝)は港区民無料公開日(港区内在住の証明ができるものをご持参ください)

展示内容

プロローグ まもり、はらう

本来的な役割を持つ人形

本来的な役割を持つ人形
天児(右)・這子(左)[吉德資料室蔵]

人形が「にんぎょう」として一般化されたのは室町時代以降で、それまではひとがた、かたしろ、あまがつ、ひいな、土偶人、木偶人、傀儡などと記されました。土・石・木・金属などを素材とした「ひとがた」は霊的対象物としての要素が大きく、平安時代初期には国家的祭祀に用いられました。
人形は本来、人間の形代として、神霊の依代として、罪を祓い病の快癒を願い、あるいは他人の不幸を祈り呪うなど、人間の運命の身替わり的な役目を果たしたのです。

第1章 願う、愛でる ―祈念の人形

大正天皇、初参内の拝領人形

大正天皇、初参内の拝領人形
初参人形 長絹袴姿(左)[横浜人形の家蔵]
裃姿(右)[東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archives]

乳幼児の生存率が低かった時代、節句儀礼に子の健やかな成長を託した親心は切実なものであったでしょう。誕生、初節句、初お目見え、婚姻等を契機として贈られた雛人形や御所人形は、日本で生まれ、江戸時代以降豊かに花開きました。
江戸城に近い港区域には大名家が屋敷を連ね、近代には皇族や財閥が多く屋敷を構えました。これら上層階級の人々が人生の折節に求めた人形に、都市部で展開した日本独自の人形文化の成熟を知ることができます。

第2章 宿し、魅せる ―壇上の人形

熊襲退治をする日本武尊

熊襲退治をする日本武尊
山車人形 日本武尊
[NPO法人赤坂氷川山車保存会(赤坂新町五丁目町会)蔵]

古来の「祀り、祓う」人形は、やがて「演じる」役割をもちます。神霊の依代という本来的な役割をもつ山車人形、当時の先端技術を駆使したからくり人形、人の手で操られ物語を演じる浄瑠璃人形。これらはいずれも祭礼や興行という賑わいの場において、壇上で曳き回され、操られ舞うことにより衆目を浴びました。一過性の空間で繰り広げられる人形の存在が、人々を高揚させ非日常へといざなう装置となったのです。

第3章 在り、伝える ―物語る人形

泉岳寺に安置された赤穂義士の木像

泉岳寺に安置された赤穂義士の木像
大石内蔵助像[泉岳寺蔵]

本章では、かの有名な赤穂事件の舞台の一つ、高輪泉岳寺の義士像を紹介します。彼らは名前を持つものとして、恒久的に安置され、あるいは祀られることにより、物語の象徴としての機能を果たしました。
また本章では、港区ゆかりの文学者、江戸川乱歩と巌谷小波にまつわる人形を紹介します。人から人へ、文学者独自の視点で人形が語られ、人形をめぐる物語が紡がれました。

エピローグ 人とともに

大名屋敷の操り人形

大名屋敷の操り人形
木製人形かしら[東京都教育委員会蔵]

本章では港区域の江戸時代の遺跡から出土した人形や港区にゆかりのある方々から寄贈いただいた人形を紹介します。人形は時に神をうつし、晴れの場を飾り、日常を楽しませ、寄り添ってきました。ここでは、今も昔も変わらない「人とともに」ある人形のカタチをご覧いただきます。
あなたにとって人形は、どのような存在ですか?

関連プログラム

講座

第1回
  • 10月17日(日)
  • 「日本の人形文化 -大石内蔵助父子像と人形との境界をめぐって」
  • 講師:是澤 博昭 氏(大妻女子大学教授)
第2回
  • 11月20日(土)
  • 「御心のかたち -宮中ゆかりの御人形-」
  • 講師:林 直輝 氏(日本人形文化研究所所長)
  • 時間:午後1時30分~3時
  • 定員:各回25名(申込多数の場合は抽選)
  • 参加費:無料

■申込方法:以下にてご確認ください。
      第1回 第2回

☆[親子学習会]親子で楽しむ車人形 さわってみよう! みてみよう!
★ はじめての車人形 実演と体験ワークショップ

「二人三番叟」実演のようす

「二人三番叟」実演のようす

江戸時代末から伝承される八王子車人形は、文楽に見られる三人遣いの人形を一人遣いに改良した人形劇です。「二人三番叟」や「東海道中膝栗毛」などのお芝居を鑑賞し、レクチャーを受け、実際にさわってみましょう。

  • 10月23日(土)
    ☆ 午前10時~11時30分
    ★ 午後1時~2時30分
  • 実演・解説:八王子車人形西川古柳座 五代目家元 西川古柳
  • 対象:☆ 小学生と保護者 ★ 中学生以上
  • 定員:☆ 8組16名 ★ 16名
  • 参加費:無料

■申込方法:下記期間に申込ページからお申込みください。
10月1日(金)~10月7日(木)
※申込多数の場合は抽選とさせていただきます。

☆[親子学習会]~ 申込ページ
★ はじめての車人形~ 申込ページ

からくり人形「弓曳き童子」実演

弓曳き童子

弓曳き童子[久留米市教育委員会蔵]

江戸時代後期に制作された、からくり人形の最高傑作の一つである「弓曳き童子」(第2章で展示)。ぜんまいや歯車、糸からくりなどを組み合わせた仕掛けで動きます。童子が次々に矢を放つ姿を是非ご覧ください。

  • 10月31日(日)
    ① 午前10時~10時40分
    ② 午前11時30分~12時10分
    ③ 午後1時30分~2時10分
  • 実演・解説:白木守・大塚麻理子(久留米市市民文化部文化財保護課)
  • 定員:各回24名 ※小学3年生以下は保護者同伴
  • 参加費:無料

■申込方法:下記期間に申込ページからお申込みください。
10月8日(金)~10月14日(木)
※申込多数の場合は抽選とさせていただきます。

セルロイド人形を色付けしよう!

ミーコ人形

【A】ミーコ人形

動物の人形

【B】動物の人形

昭和中期に人気だったセルロイド人形を作り続けている最後の職人にお話しを伺い、色付けを体験してみましょう。

  • 11月13日(土)
  • 講師:平井英一(セルロイド職人)
  • 定員:各回16名

【A】ミーコ人形

  • 時間:午前10時~正午
  • 対象:中学生以上
  • 材料費:2,500円

【B】動物の人形

  • 時間:① 午後1時~2時 ② 午後3時~4時
  • 小学生以上 ※小学3年生以下は保護者同伴
  • 材料費:300円

■申込方法:下記期間に申込ページからお申込みください。
10月22日(金)~ 10月28日(木)
※申込多数の場合は抽選とさせていただきます。

【A】ミーコ人形 申込ページ
【B】動物の人形 申込ページ

[ギャラリー展]わたしの人形

幼き日に毎日遊んだ着せ替え人形、テレビで夢中になったあのヒーローの人形...。けっして貴重なものではないかもしれないけれど、それぞれの時代の思い出とともに大切な「わたしの人形」がありませんか? 当館スタッフを中心に集めた「わたしの人形」たちを、その人形にまつわる思い出のエピソードを添えて、4階ギャラリーにて展示します。(観覧無料)

※詳しくはこちらからご確認ください。

[秋のものづくりテーブル]折り紙でつくる人形

折り紙を使って、いろいろな人形をつくってみる体験コーナーを無料開設。人形の仲間たちを増やして、折り紙人形の輪を広げましょう。

※詳しくはこちらからご確認ください。

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